2013年08月04日

8 恋愛>友情

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保田(33)最終Ver1.png




お互い、年、取ったんだなあ。

図太くなったよ(笑)

あの、保田が、

しょうがないとは言え、
人前でおしっこするんだもの。

中学の頃だったら…保田は、崖から飛び降りてただろう(笑)

でも、親近感、わいちゃったよ。

なんか、会社の女性スタッフとおんなじような感覚になってきた。




保田
「ごめェん…、お待たせ…」




「いや、全然。悪いな、こっちこそ気づかなくって」



そして、昔の俺だったら、ここでからかってたんだろうな(笑)







保田
「あはっ、からかわないんだ?(笑) てっきり、笑われると思った!」




「…え? だって…本気で困ってたことを、からかわれたらイヤでしょ。



保田
ええ?!  おお!…ヒュ〜♪ やっぱ、テツヤ、やっさしーい!(笑)」 




「! ……。」



保田
ぶw ちょ、また黙る〜。なんで、そこで、怒んのぉ(笑)




怒ってないってば! …もう、いちいち、俺の心、読むのやめてくんない?(笑)」








保田の家から出て、15分くらい経っただろう。

俺の実家まで、歩いて、まだあと20分くらいある。







保田
「んー…」




「あ。やっぱり…?」



保田
「うん…。ごめん。…おんぶ…




だろうなw

こうなるって、最初から思ってたんだよ(笑)

明日は筋肉痛だなあ。

俺は、しゃがんで、手を後ろへあげた。



やすだおんぶ.png

保田
「ごめんねェ…。あ、私、手、洗ってないよ?」




「大丈夫。」



保田
「…ありがと」







さあて、そろそろ、保田の身の上のことも聞かなくっちゃな。

離婚…は、したんだろう。

でなきゃ、実家に帰ってくるわけない。

それは、聞くだけ野暮だ。




「なあ、保田。」



保田
なあ…保田。(俺の声の真似。めちゃくちゃ低い声で)」




「ンなっ…!?」



俺の背中で、ケラケラ笑いながら、足をバタバタさせる保田。

”おんぶ”って、見た目、楽そうに見えるけど、

背中で暴れられると、けっこう、キツイんだけど。



保田
あは!あはははは! ああ…、おもしろ!w たのしーい!あはは…
はあ〜…。笑いすぎた〜…」




「お前よ〜…」



保田
あ!そうそう! 最初ン時に聞いたけどさ、やっぱ知りたい!
なんで、イサオと会わなくなったの〜? ケンカしたの!?
…だってさ、アンタたち、中学時代、金魚のフン(笑)じゃないけどさあ、
いつも、くっついてたじゃない!」



もう…。

こっちが心配して、いろいろ質問しようと思ってたのに…。

昔っから、なぜかこうやって、調子狂わせられるんだよなあ。




ひどい言い方だな、オイ(笑) 
いや、イサオはさあ…。まあ、高校入ってから、ちょっとなあ。
趣味嗜好が合わなくなったっていうか。でも、絶交したわけじゃないよ?」



保田
「ふう…ん。そっか。まあ…人なんてさ、変わっていくよね。いろいろあるわ!」




意味深だなあ、保田(笑)

って、いうか、イサオのこの話も言えないよな…保田に。







抑えられない.jpg

中学時代、

保田の言う通り、毎日のように一緒につるんでいた「イサオ」は、

お互いの家を泊まり合うほどの大親友だった。

でもある日、

話の流れで、イサオが、

「俺、実を言うと、小学校の頃から保田あおいが好きなんだ。」

と言ったんだ。

俺は、その時、動揺してしまって、

「お、俺は…好きな子なんていないよ! いるわけないじゃん!」

と、

こともあろうか、大親友に、大嘘をついてしまった。

イサオは「えー…」と言って、ちょっと疑惑を抱くような顔をしていた。

そりゃそうだよね、

誰が見たって、俺はあからさまに保田にばかりアプローチしていたんだから。

全く持って、俺はガキだったんだ。




でも、

俺は、イサオの気持ちをわかっていながらも、

背中に冷たい視線を感じながらも、

目の前に保田がいると、話したい、という衝動を抑えきれなかった。

イサオは、もともとクールな性格で、保田の前であまりしゃべらない。

俺はおしゃべりだったから、つい、彼女に話しかけてしまう。

この頃から、段々と、イサオとの間がギクシャクしていった。

そればかりが原因じゃないけどね。





まるで、安いドラマや少女漫画のようなベタな展開。

でもさあ、ベタな展開でも、実際に自分の身に起こったら、結構キツイもんだね。




保田の事を思うと、

同時に「親友をなくした」罪悪感もセットで思い出してしまう。







保田、

俺はやさしくなんかないんだよ。

お前だったから、やさしくしたんだ。

ただ、それだけ。

下心みたいなもんさ。君と仲良くなりたかったんだ。

誰にでもやさしい人間なんかじゃ、ない。

やさしいと言われると、つらい。むしろ、汚い。

いざとなったら、裏切ることもするんだよ。






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2013年08月03日

7 おかしなおかしな、保田あおい 〜愛してなんかいないくせに(1)










せつなくて.jpg






『何か』話したいことがあるんじゃ…?

こんなにベッタリと甘えたり、ついてくる保田は初めてだ。

逆に怖い。



悩みもあるだろう。

これからの生活のこと…家族のこと…

結婚生活のこと…

やっぱり離婚…したんだよね、保田は。




そういえば、以前、もらったメールに、

冗談っぽい文章で、

「毎晩、ひとりワイン飲んでますw」

「もう充分、アル中でございます」

なんて書いてあったの、あれ、本当だったんだね? 

苦労したんじゃないのか。

…苦労したんだろうな。ひどいよな。





保田の横顔をジッと見てみた。

全然、老けてないし、中学の頃と変わらない。流石だ。

でも、

めちゃくちゃ痩せた…。頬がこけちゃってるもの。

ただでさえ、もともと細かったのに。






保田
「ン?」

保田(33)最終Ver1.png


保田
「え? なァに? 何で見てたのン?」



なんか…家にいた時よりも、しおらしくなってる…。

きれいだよな、やっぱ。

そりゃ、そうだ、一度惚れた女性だもんな。

後年、知ったけど、保田のことを好きな男子って多かったようだ。






「いや、化粧、上手くなったなって」



保田
「ぶっはw 誉めるのソコ!? キレイになったねとかじゃなく!!」




「だってさww お前、結婚する前…あ、いや、10代の頃、顔が真っ白やったやん(笑)」



保田
「しょーがないでしょ! ガキの頃なんてね、わかんないのよ!(笑)」







…っと、また沈黙になる。

ダメだ…。保田に限っては、どうも聞き出しにくい。

俺だって、少しは成長したんだけどな。

会社の若いスタッフの相談相手とかもやってるのに。

やっぱり、心の奥でブレーキがかかってる。









保田
「あ、ここの神社」




「おっ、懐かしいね」



保田
「テツヤとさあ、元旦の朝、ここでお参りしたよね」




「そうそう、そしたら…!」



保田
「そうそう!!いきなり、神主さんがこの扉から現れて、みかんくれたんだよね!」



保田
「あ…そして、この街灯の場所〜。よく、テツヤとさー、夜にここで待ち合わせして…」




「そうだよな、いろいろ話したんやっけ。悩み事とかさ」



保田
「ガキだったよねw うちらw」








っていうか、お前は…、

元気がない時、俺が「どうしたの」って聞いても、

「なんでもない」としか言わなくってさあ。

だから心配になって、

俺が何度かここに呼び出したんじゃないかー(笑)

だけど…、大概、自己解決しちゃうんだよな、保田は。

絶対に俺に、悩みを言わない。

俺、信用ないんだなって、一人で勝手に疲れちゃってた。








保田
「あ…」




「ン?? どしたン?」



保田
「……。」






もしかして、保田…?

何かを言ってくれるんだろうか? 

おう、何でも聞くぞ。俺はあの頃とは違うぜ。どんとこい…







保田
「ああ〜ン。…おしっこ」






ガックシ。

やけにしおらしいと思ってたのは、我慢してたからか;;





保田
「どうしよ…」




「この辺、公園もないぞ! ん〜〜。しゃあない、ソコの、ブロックのあるとこで…



保田
「うひゃあ…ン。でも、しょうがない…。」




「ティッシュ!、はい」



保田
「さすが、店長さん。あ・あんまり離れないで…。音は聴かないでよ




「わかった。周り、見張ってるから、我慢してないで、はよ、やって



保田
「…あはは、やっぱ、テツヤって優しいね」







俺はビクッとしてしまった。

まただ…。

俺は、そのセリフを二度と聞きたくなかった。






俺の、保田に対する心のブレーキになるキッカケの言葉だった。






a-ha "and you tell me"

君を嫉妬させようと変な小細工をしたり、
君が離れないようにするために僕は一生懸命努力したんだ
一日は長くて、夜は狂いそうになる
だけど、君はこう言う
”愛してなんかいないくせに”

タイトルは、この曲から引用しました。
俺が保田に会いに行く途中、ウォークマンでよく聴いていた思い出の曲です。


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2013年08月02日

6 幸せの色は、白










保田3姉妹あるはら用.jpg



保田家に招待され、

3姉妹独特のサービストーク(笑)も味わって

この上ない幸福感を味わった、俺。

ただ、さすがに夜も遅くなったので、

実家で、俺の帰りを待っている母親に電話をかけようとした。



ちょっと、ゴメンと、言って席を外す。

保田は、「あーいw」と言いながら、姉妹たちとキャッキャしている。







玄関の方で、携帯をかける。

が、

すぐ切れた。かけてもかけても、ツーツーと言って切れる。

電波は3本立っている。

自分はこれでも、一応、携帯電話販売者のはしくれ。

理由をあれこれ考えた。

盛岡駅では、確かにかかったのに。

(え?まさか、料金未払いの一時停止?)

確かにその場合、通話停止時間は今ぐらいになるけど。

でも、そんなはずはない。

自動引き落としだし、さすがに携帯電話代を払うぐらいの額はあるはず。

そんな通知もなかったし。








俺は携帯を閉まい、そのまま、3姉妹のところへ戻った。

保田家に電話を借りるのは申し訳なかったし、

まあ、俺の母親ならわかってくれてるだろうと思って、

とりあえず、疑問は保留のままとした。







相変わらず、保田がキャーキャー言いながら(笑)、姉妹と戯れてる。

本当に仲のいい姉妹。特に保田は、一番ネアカだ。

飲み足りないと言って、ワインをぐびぐび飲む保田。

お姉さんに注意されても、ふざけて、床で足をばたつかせている。

その間、何度もスカートがめくりあがって、保田はパンツ丸見えだった。

俺だって、これでも百戦錬磨の男と言われ(言われてない)ている。

たかが、パンツの一枚や二枚…。

(ちょ…またひとつ、夢が叶っちゃったよ…)

頭ン中が、中学生に戻ってしまっていた。

(でも、やっぱり、コイツ、俺を異性と思ってないなあ)

と、複雑な心境になった。

やすだパンチら.jpg





保田が俺の存在を忘れて(笑)、遊んでいるので、

そばにいる、保田のお母さんに話しかけた。

そういえば、先ほどから、お母さんは何やら資料を読んでいた。




「今日はすいません、突然に。…あ、何の本を読んでるんですか?」



保田のお母さん
「あ、ああ…、これ? 今、福祉の勉強してるの…職をちょっとね…



「あ、そうだったんですか、大変なところ、本当にすみません」



保田のお母さん
「いえいえ…我が家はいつもこんな感じですから(笑) 




お母さん、職探し…。



正直、詳細はわからないので言及は控えるけど。

保田ん家も、結構、いろんな事情があったように思える。













さあて、さすがにもう真夜中だし。

保田のお母さんにも悪いし、俺の母ちゃんも(笑)いい加減待ってるだろうし。

帰るとするかなー。

楽しかったなあ。心から。






「好き」という感情は、今更、もうないけれども、

やっぱり、どうであっても、初恋の女の子だ。

ちょっとだけ、気持ちが中学の頃に戻れて、嬉しかったよ。


もう、満腹、です。

自分自身が調子に乗る前に、帰ろう。







「じゃあ、私、そろそろ、この辺で…」

と言った瞬間、全員が「えええ」

ハイ、ごちそうさまw

例え、嘘だったとしても、やっぱり嬉しいね、こういうのは(笑)

『笑っていいとも』のゲストの気分だね。





お姉さん
「また、遊びに来てね〜、女ばっかりでさみしいからー(笑)」




お姉さん、今回、あなたに会えて本当によかった。

久々に、「人間っていいな」って思えました。

メグちゃんも、大きくなって…。オッサンは嬉しいよ(笑)

素敵な恋愛してくれたまえッ。

保田…、今日は思い切ってキミに電話して良かった。

ただの休日で、いろんな体験が出来た。

また、前のように時々遊ぶべな。話し相手ぐらいにはなれるだろうから。






お姉さん
「あ、テツヤくん、タクシー呼ぶ? すぐ来るよ?」




「あ…実を言うと、歩いて帰りたいんですー。
ここから歩いて20分くらいですから、大丈夫です^^」



本当は歩いて30分以上かかるけども(笑)

理由は、10年以上ぶりに訪れたこの街の景色を、

歩きながら見て行こう、と思ったから
だ。ただ、それだけ。






保田
「わーーーーーい! 私も一緒に行くーーーーー! 歩きたぁい!」





('Д')(えっ)









「え?! え?! ちょ、ウソだろ? 俺ん家に来るってこと?!



保田
ウン!!!! …ダメ?」




「あ、歩いていくんだぜ? 大丈夫か、お前?フラフラだし!」



保田
ちょっとォ! オバちゃんになったからって、なめないでよ!
けっこう、まだまだ体力あんのよ! 何、いやなの、テツヤ!? いやなの!?



保田が、小さい女の子のように騒ぎ出したので、

お姉さんが苦笑いしながら、コソッと(ごめん、連れてったげて)と言った。




うそだろ…いや、連れていくのはかまわない。むしろ、嬉しいけどさ…






絶対に人には甘えなかった保田が…信じられない。こんなこと今まで一度もなかった)

 


何?、何があったのさ。




俺は、かつての保田との交流経験から、つい、防衛本能が働いてしまった。

(酔っているから。 それもあるだろう。もしかして、ちょっと俺のこと見直したとか?(笑) いやいや、それは100%、この子に限っては、ない。
期待しちゃいけない






(じゃあ…もしかして…何か…彼女の身の上に、何かあるのかなあ…。 何か、言いたいことや、不満やら、 悩みとか…。まあ、誰だって悩みの一つや二つあるけども。)




普通の人なら、喜ばしい場面だが。

俺は逆に、彼女のことが心配になってきていた。








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