2013年08月07日

11 今、伝えたいこと 〜愛してなんかいないくせに(4)








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今回、当時の思いを、本音で語っている文章があり、そこは一切まとめたり、編集しなかったため、お見苦しい部分があります。勘違いや誤解、記憶薄れの部分もあると思います。ご了承ください)
やすと俺すれ違い.jpg



保田
お邪魔…しちゃったカナ。ごめんね、久しぶりの実家だもんね」






ハア…。ここまで来て、保田を寂しがらせるわけにはいかないよな…。




「…いやいや、俺もさ、ホント嬉しいんだぜ? 
俺ん家まで、あともう少し。
…さっきはさ、ちょっと息があがってたんだって



保田
…なんだあ、そっかァ…。

って、ちょっとォン!?ナニよ、それェ? 
まさか、この保田ちゃんが、「重かった」とでも? ひどォい(笑)」








二人で、空高く笑いあった。

そうだよな、昔、こんな感じでよく笑いあった。とても懐かしい空気。




再び、保田をおぶったまま、歩きはじめた。










保田
「あ、あとね…」




「ん?」



保田
「心配してくれて、ありがとう。
テツヤしかそんなこと言ってくれないモン。
…でもネ




「…うん」



保田
「不安はいろいろあるけど…。
でも、でも、アタシは大丈夫。がんばるもん。
だから、心配しないでね。
保田、こう見えても、体育会系なんだから! 根性あるんだから(笑)」




「はは…」



保田
「テツヤなら、わかってくれてる、と思うけど…。

アタシさあ、人に頼っちゃうの苦手、なんだあ…。
自分ひとりなら、誰にも、文句言えないじゃない?
だって、自分のせいだもの(笑)

誰かを頼って、失敗して、迷惑かけたり…。

お姉が、言ってたでしょ、
テツヤが、知らないところでいろいろとやってたって。

それ、すごい、嬉しいの。
嬉しいんだけど…。

んんと、なんて言えばいいのかな…








いじらしいわ…。

…知ってるさ。保田の性格のことは。

彼女は前向きに物事を考える人だ。

俺の知ってる女性の中でも、一番、強いと思う。

でも、でも…、何かしてあげたいって思うんだよ、こっちはね。



それに…。

そんな頑固な君が、唯一「頼った」男がいるんだよな

元旦那(←もう、こういう言い方でいいよね)。

そこが、正直、ちょっとくやしい…とか。

ああ、やっぱり、俺って彼女とは次元が違うよな…。





「あはは。うんうん。
初めて会った日から、それは知ってるよ。
だって、こっちが優しく声かけたのに、突っぱねたもんな、お前(笑)

…まあ、ごめんな、俺も押し付けちゃったよな。
じゃあさ、とりあえず、本当に困った時は、その時は言ってな」












◎独白


1.2.jpg




1.23.jpg



ハア…。




なんか、もう、疲れた…。

また、やっちゃったって感じ。

自分の中であれこれ考えすぎちゃって。

彼女の言う事を深読みしちゃってさ。




変わんないよな、やっぱ。俺と保田の関係性はさ。

これからも。何年、経っても。


もし俺が、総理大臣になって、偉くなったとしても、

保田と出会ってしまったら、まるでリトマス試験紙のように化学反応をして、

中学の頃と同じになって、保田に頭が上がらないんだろうね。




今日、いろいろと、夢に描いていたことが実現しちゃったから。

その気にさせるような誉め言葉ばっか言うから!(笑)

めずらしく、俺なんかに着いて来たりするから…。

保田(33)最終Ver1.png

やすだおんぶ.png


つい、昔の気持ちに、戻っちゃったのかもな。勘違い。

悪気がないのは知ってるけど、俺も気をつけなきゃな。
 
保田に期待しちゃいけない、って、心に刻んでたじゃんか。






せつなくて.jpg

そう。



俺は、もう、お前の事は愛してなんか、ない。



メール、もらうまで、お前のことなんて忘れてたもん。



いや、それは嘘だ…。一日も忘れたことなんて、ない。



いや、忘れてた。



…もう、どっちかわかんないわ。




お前も、いい大人だもんな、俺の出る幕じゃないよ。

お前なら、一人でも、なんとかするだろうし。強い子なのはわかってる。

でも、頑張れ、頑張ってくれ、保田。

「親友」として、それは、本気で応援するよ。






昔、何回か、念を押されたっけ。

「テツヤとアタシは『親友』だよね!」ってさ。

「男と女の『親友』って、あるわよね!」ってさ。

俺の気持ち、知ってて、防御線を張ってた?(笑)

いや、それは冗談。保田は、そんなヤツじゃない。

でも、ごめんな! 俺、お前のこと、好きだったんだよ!

「親友」のフリしちゃってたけどさ。


やす90.jpg
やす999.jpg





お前が、急に元気がなくなった時があってさ。

心配になって、

何度も話しかけたり、呼び出したりしたけど、全然ダメでさ。


そしたら、お前、急に、

「相談があるの…」なんて言うから、

夜だったけれど、慌てて走って、お前の家まで行ったよ。

(ゴメン。少しだけ「告白されんのかな」って思った(笑))

そしたら、



「好きな人がいるの」だって。




告白、手伝ったよ。俺が、その人にいろいろ聞いてさ。

「好きな人の恋のお手伝い」だってさ。



まあ、その後、別れて。お前、ちょっと泣いてて。

なぜか、かわいそうとか思っちゃうし。励ますしかないし。

やす88.jpg


その時、お前、俺になんて言ったと思う?憶えてる?




「テツヤはやさしいね」って。

「あーあ、私、テツヤのこと、好きになれば良かったね」って。




今日と、おんなじこと言ってたんだよ(笑)

軽い気持ちで言ったんだろうけど、

ちょっと、さみしかったなあ。

蚊帳の外なんだもん、発言が。

お前、俺のこと、一度でも好きだって思ったことあるの?(笑)

まあ、いつもそんなだったからさあ。

慣れっこだったけどっ。

それからだよ、だんだん、期待するのやめようって思ったのは。


これが、俺の、保田に対する『心のブレーキ』。









わかってる。保田は悪くない。何にも。

お前に「好き」だって言わなかった…、俺が悪い、そう、全部。

言って、フラれて、きちんと理由を聞いておきゃ、

こんなオッサンになっても悩んだりしないで済んだのに。

だから、どうでもいいようなことで、

今日みたいに、一人で勝手に疲れてた。







お前が、学校やめる前に、何度か話をしたよね。

俺が「頑張れ」って励まして。お前が「うん、頑張る」って言って。

大丈夫かなと思ってたら、知らない間にやめてて。

やめる、やめないは、それは仕方のないことだけど。

でも、いっつも一人で悩んで、パッと決めちゃうんだもんな



それで、しばらくして、

気が付いたら、あれだよ。














結婚しますって。

盛岡を離れるって。








133.jpg



























誰が、幹事をしたか知らないけれど、「送別会」に呼ばれて行ってみれば、

見たこともない、コートに身を包んで。髪型まで変わっちゃって。

花嫁姿みたいな、真っ白い化粧して…。





二人で話した時、相手ってどんな人?って、思わず聞いちゃった。

「うーん…年上。半年くらい前に知り合った男性」






もうその時から不安な予感しかしなかったよ。 正直さ!!



彼女の何を知ってんだよ…。

半年で、何をわかってあげられるって言うんだよ。











抑えられないm.jpg



やす99.jpg



2年1.jpg



夕暮れのやす9.jpg


夕暮れ.jpg


 








嫉妬です(笑)

何を言っても、しょうがないことはわかってる。

保田は、悩んでた。俺は声をかけることしか出来なかった。

保田は、常に上へ目指して生きているような人だ(と、俺は思っている)。

今いる現状を、今いる世界をガラッと変えてくれる人を求めていたんだなあ。

今の俺ならまだしも、ガキだったからね、俺。






最後の見送りのところで、

もう、「親友」どころか「その他大勢」だった俺は、

彼女の嬉しそうな顔を遠くから見ていた。

さよならって。


お別れ2.jpg


さよならって。

さよなら、保田。







一言、言うのが精一杯だったよ。









長くて、つらい片思いが終わったって、ちょっとホッとしたのもある。

俺の青春、終わったなーって。

保田が誰と一緒でも、

ともかく幸せだったら、それでいいからって。

俺も、まだまだ若いし、別の好きな女の子みつけよう、なんてさ。



一生懸命、忘れたよ?

一生懸命、自分をごまかした。

時間もかかった。



好きだって言って、フラれるショックよりも、

言わなかった後悔の方が、ショックが大きいなんて知らなかった。



だってさ、ここだけの話。誰にも言えないけれど。

あれから、俺も、何人かの女性とも交際してきた。

なのに…、なんで。

頭の隅にもないほど、お前の事なんて忘れてるはずなのに、

突然、夢の中に現れたりして、「え?」って思ったり。

つきあってる彼女の顔が、なぜか一瞬、お前の顔に見えて、

抱いている時ですら、フラッシュバックして…。




今はもう、愛してなんかいないけど。

後悔が、ずっと心の奥に残ってる。

年を取るにつれて、ひどくなってくる。




もう、忘れた。

でも、今日みたいなことがあると、ふと、思い出す。




俺が死んで、灰になっても、この後悔だけは、灰に残っているのかなあ。









頼む…、

本当は、今、こう思ってるんだ。

保田、俺に言ってくれよ。

「テツヤ、助けて」って。

「テツヤ、力を貸して」って!

頼むから、一度でいいから、俺を、頼ってくれよ。





そう言われたなら、俺は―。

どんなことだって。






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2013年08月06日

10 しあわせかい? 〜愛してなんかいないくせに(3)








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やすと公園.png



俺の実家まで、歩いてあと数分。

保田もしんどそうだ。

俺も正直、息があがってきた。急がねば。

こんなことなら、歩いて帰るって言わなきゃ良かったなあ。

ごめんな、保田。





でも、この年齢になって、

君と一緒に、

思い出のある場所を歩き回れるなんて夢にも思わなかった。








『保田あおい』は、かつて、好きだった女性。

あくまで、昔。





でも、俺にとっては、天使でもあり、アイドルだったんだ。

キモイかな?(笑) それしか言葉がみつからないんだ。

彼女と仲良くなれたから、学生時代は楽しかったし、つらいことも乗り切れた。







結婚とは.jpg
”保田…君は結婚をして、どんな世界を見てきたっていうんだ”


例えば、

一生懸命、愛し、育てた子供が、

結婚して苦労してたなんて話を聞いたら、どう思うか。

親だったら、憤るはず。

いろんな仕事を否定する気は、さらさら無い。

でも、「どうして…」っていう心境は、抱かざるを得ない。







独身男の、世間知らずの、戯言と思ってくれてもいい。

結婚生活が口で言うほど簡単じゃないのもわかる。



ただ、これだけは言いたい。




結婚する、その相手の人は、「お前だけのものじゃない」んだってことを。


自分だけのものになったなんて、勘違いすンな!


親、兄妹、知人、

彼女を愛してきた人たちの、いろんな思いが、その人には詰まってんだってこと。



おもちゃじゃねえーんだぞ…。



寂しがらせたり、苦労かけたり、ましてや暴力をふるう、

なんて話は…うんざり。やめてくれ…もうこりごりだ。





俺の母親も含めて、

どうして、俺の周りの女性は…






























かるび…




ごご12.jpg





あれから、君はどうしてる?

しあわせかい?


























「なあ、保田」



保田
「ン…? なぁに?」




「岩手に帰って来て、早速、職に就くなんて、さすがだと思うけどさあ…
やっぱ、体に響いたりしてない?



保田
え…? 今の職場の事? あははw だいじょぶ! アタシ、お酒好きだしー」




「給料がいいから? …お母さんも再就職の勉強してたし…。何か困ってたりしてない?」



保田
「なァに? そこまで心配してくれてるの?」




「いや…せっかくだからさあ。
何か、困ったことがあったら、頼りないかもしれないけど…。
力になるよ?
流石に中学の頃よりは、俺だってマシになったはず(笑)」



保田
え…、マジで言ってんの? うわあ、ありがとう、ホント嬉しい! 

でも…、うん。
大丈夫!

テツヤさんに、迷惑ばかりおかけするわけには…いきませんわ〜(笑)

あ! そうだ、また今度、飲みにつきあってよ! 
その頃までには〜テツヤもちょっとは飲めるように訓練ね! 決まり!
あははははw」




「(やっぱりな)いやいや…そういうことじゃなく…」



保田
「だいじょぶだってー! 保田ちゃんは困ってないモン。
私の心配より、自分の心配はー? 
か・の・じょ、紹介したげるから! 
お水だけどさー、本当にみんな、いい子なのよ〜…あのね、」




もう…! その話はいーから」



保田
「……。え、テツヤって…お水の子、いやなの…?
それは、ちょっとひどくない〜?
あのねえ、遊んでるイメージがあるのか知らないけどさあ、
みんな、実はけっこう真面目で、純粋な子だって多いンだからァ」




(もう…お前に「彼女、紹介する」って言われると、なんか傷つくんだよ)
違うって…そんなんじゃない」



保田
あ! テツヤ! も・し・か・し・て! 
わかった!好きな人、いるんだ?!
キャー!w その子、しあわせよねン〜(笑)
彼女、大切にしなさいよ? って、まだ、告白とかこれから?




「違う…」



保田
「…ねえ、何かさ…。さっきからテツヤ、怒ってない?




「チガウ」





保田…。

君は…。

やっぱり…。






保田
「……。 アタシ…、来ちゃいけなかった…?。ゴメン…」




「…違うんだよ。」



やすと俺すれ違い.jpg




a-ha "and you tell me"

君を嫉妬させようと変な小細工をしたり、
君が離れないようにするために僕は一生懸命努力したんだ
一日は長くて、夜は狂いそうになる
自分がおかしくなるんだ 君がいなくなってから
だけど、君はこう言う
”愛してなんかいないくせに”

タイトルは、この曲から引用しました。



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2013年08月05日

9 アル中の天使 〜愛してなんかいないくせに(2)








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やすだおんぶ.png




保田
「人なんてさ、変わっていくもんよね!
私も今じゃ、すっかりワイン漬けのアル中オバちゃんだもン〜♪」





「前にメールくれた時、毎晩ひとりで寂しくワイン飲んでますって、ありゃホントか?」



保田
「え…、うんうんー!ホントホント!おかげでチーズとワインには詳しくなりました(笑)」




アル中はあかんやろ。飲み過ぎないでな、体、壊しちゃうし。」



保田
「えっ!? なになに? 心配してくれんの!? 
…うっわ〜、優しい、やっぱり。
あーあ! アタシ、テツヤと結婚すれば良かったァ〜ン(笑)




「……。」



保田
「でも、テツヤ、昔っから優しかったし!
うん、保田ちゃんが保障するわ!
ねえ、テツヤ、今、彼女いんの?
いないんだったらさ、うちのお店の子、紹介するよ!?

いい子、いっぱいいるんだから。
テツヤだったら、胸張っておススメしちゃうー!」




(もう、どっちなんだよ…)え、うちのお店の子?」



保田
「あ、あ〜。今、働いてるとこ。バーみたいなもんよ。
お水だけどね、いい子、本当にいるんだから!」




「バー…。」






あの、硬派だった保田が。

…やっぱり正直、驚いた。

いや、俺もいい大人だから、事情はわかるんだけれども。




確かに保田は昔から、

話のうまいスナックのママさんタイプだったし





ご覧のとおり、保田は、乗せ上手なんだよな。

いや、本人は全く無意識なんだけれど、

性格に似合わず、舌っ足らずで、甘えた声で、語尾に「〜ン」をつけて話すし。

だから、中学でも、彼女の隠れファンは多かった。

…免疫のない中年のオッサンとかだったら、イチコロかもなあ…。






「じゃあ、今日、会った時は、あれ、仕事帰りだったんだ」




保田
「そそ! だから、盛岡駅にいたのよン。
運命よね〜?
アタシ、運命、感じたよ(笑) テツヤとアタシは腐れ縁だよね〜(笑)




(またそんなこと言って…確かに口がうまくなったよなあ…)
そっか…。
でもなあ、お前が、男性相手にお酌ってか。客とケンカになったりしない?(笑)



保田
ちょっとォン!? 保田を馬鹿にしないでよっ! 
結構ね、アタシ、人気あんだからねっ。指名も多いんだからあ。
こう見えても、この道、長いんだから!





(え?…この道?…長い?) お前、えーっと。秋田だっけ新潟だっけ。
そこに行ってからも、働いてたのか?」



保田
「え…? あ〜…。ウン、新潟も秋田もいたけど。まあ、子供もいなかったし…」




「そっか…。それは…大変…。そこでもスナックとかで?」



保田
「えっ? ン…。まあ〜。」





(ん…)











 







なんで…? 言い方、悪いけど…生活、苦しかったのか?」



保田
「え〜…? いやいや、キツイっていうほどでも…。
まあ…職場はね……旦那の関係っていうかね…




(旦那…)











保田
「まあ! そんなわけで! 保田も結構、世間に揉まれたってわけ!
男だって、いろいろ見てきたんだからァ!(笑)

人生いろいろ!男もいろいろ!
って、ソレ、チヨコじゃーんwwww

テツヤはねー、やさしーけど、大人なんだからーw
もうちょっとお酒飲めるよーになりなさいよ!? あははははw…」







(あれ…? そのセリフ、最近、どっかで聞いたような…)








ゲホゲホゲホゲホッ!





「お、おいっ…大丈夫か!」



保田
「う〜、イッタぁ…。食道にキッタぁ〜…」




「もう…!ホント、無理矢理とか無茶苦茶はアカンて。
いくら、仕事とはいえさ、飲み過ぎて、体壊したら意味ないじゃん。



保田
「え〜…。ウン、ありがと、でも、保田は大丈夫! あははははw」




「いや、マジメにさあ…あのなあ、」



保田
「…なあに? なんで怒ってんの…?…ウッ、ウエッ、ちょ、ごめ…」




「あっ…、大丈夫か、ちょ、そこに物陰があっから、少し走るぞ?」



保田
「ウィ…ごめんぐえぇ…




保田をおぶさったまま、

公園の木のところまで、10歩ほど走った。

正直、体の全体重をかけてきている保田を背負って走るのはかなりキツイ。





「あっ、そっ、こっ…はあ、はあ、つ、着いた。降ろす…よ?」



保田
「アウ…。ごめ…」






ゲホゲホ言いながら小刻みに咳をする保田。

ほとんど食べてないから、吐くものもあまりないようだった。

俺は、何の役にも立たないけど、彼女の背中をさすった。

会社のスタッフも、よくこういう状況になるので(苦笑)、

シラフの俺がよく介抱していたから、

自然と手が出てしまった。







こんなに、保田の体を、直に触ったのは初めてだった。







小っちゃい…。小っちゃいなー…(自分から見れば)

160pだっけ? やけに細いし…。骨が出てるもんなあ。

小さいのに、いつもあんなに元気で強気でさあ…。



こんな小さい体で…けっこう苦労したんだな、保田…。

変に想像してしまう俺も俺だが、

この時は、ものすごく彼女がかわいそうに思えてしまった。







オイ!! もう…

なんなんだー?

結婚って、なんなんだよ。

保田は…。クサイ言い方だけど、俺の『天使』だった子だぞ。

保田の(元)旦那…、5歳くらい上のオッサンだったんだよな、

よく知らないけど(知りたくもない)。

こんな、いい子を嫁にもらって、寂しがらせて…、何やってんだ、ふざけんな。

独身の戯言だろうと、なんだろうと、俺の意見は間違ってないぞ、絶対に。







やすと公園.png

保田を再び”おんぶ”して、歩き出す。

俺ん家まで、あと、もう少し。



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君が離れないようにするために僕は一生懸命努力したんだ
一日は長くて、夜は狂いそうになる
自分がおかしくなるんだ 君がいなくなってから
だけど、君はこう言う
”愛してなんかいないくせに”

タイトルは、この曲から引用しました。
俺が保田に会いに行く途中、ウォークマンでよく聴いていた思い出の曲です。


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