2013年07月01日

25 3人で最後のゴゴ



ぼくとう.jpg

旦那の監視でゴゴに行けない俺たちは、『ハンゲーム』でひっそりと落ち合う。
しかし、旦那のいない隙に、少しだけゴゴに行くことになった俺たちは、半年ぶり
に3人でゴゴで遊ぶ。
が、そこで突然、かるびの悲鳴が聞こえた。




耳元のイヤホンから、

ガサガサッ、ガサガサッという音が聞こえ鳴りやまない。

ガタッ、ガタッと、物が当たるような音もする。




かるび
「…なんやァッ!…やめろや!! やめてっ!」




かるびの絶叫が聞こえた。

声の遠さから、ヘッドフォンマイクは外している(外されている)。





「ぼあ…あああ…がああ…」




ヘッドフォンの遠さから、はっきりとは聞こえない。

かなりこもった、低い声。

これは…

俺は、その、底から聞こえるような唸り声に、背筋が凍った。





…旦那だ!

はじめて聞いた、かるびの旦那の声。

イメージしていた像と声が重なる。

かすかに遠くから聞こえる。




…しばらくして、ガシャン!という、

何かが割れる音がした。

俺は、激しく混乱し、

マイクに向かって叫び続けたが、やはり届いていない。

もし、PCの画面を見ていたら、と思い、

何度もゴゴのログに、

「かるび にげて かるび だいじょうぶか 逃げて」

などと打ち込んだ。




ガシャン、とまた割れるような音がした。

やばい…、

どうすれば…、

俺たちのせいだ!

どうしたら!

かるびが!かるびが殺される…





「かるび!」




俺は、遠くの地、岩手で、

香川に向かって叫ぶしかない。

け、警察っ……!。





そう思った時、

ゴゴのログに、かるびからの返事が見えた。

急いで入力したんだろう、つたない返事だった。





「ごめ だんながにっわであばれてる 木刀もttる」

「にげるわ」





ゴゴから、かるびのキャラクターが消えた。

思えば、これがゴゴでの、最後のかるびの姿だった。





旦那が木刀を持って庭で暴れているらしい。

ガシャンという音は、何か花瓶かガラスでも割っているのか。

ともかく、

かるびが木刀で叩かれたり、殴られていないことを祈るが、

音しかしないせいで、余計に最悪な事態を連想させた。

俺とパンチはずっと叫び続けていた。



完全に音が、しなくなった。

というか、ボイスチャットが切れた。

PCの電源を落としたんだろう。











パンチ
「…、旦那…。帰ってきたのかよ。…なんで」




「…ともかく…、かるびが逃げられたかどうかが…」



パンチ
「今まで何度もこういうことがあったらしいから…たぶん」




「大丈夫っていえるかよ!木刀だぞっ



俺は、警察に電話しようと思った。

パンチにかるびの住所の詳細を聞いた。

高松市?

高松市の警察でいいんだなっ

猶予がない、俺は携帯で香川県高松市の警察を調べていた。

すると、

携帯メールの着信があった。




かるびのメールだ!かるび、無事なのかっ…!

情けないことに、あまりの緊迫した状況に、

俺は手の指が震えていた。血の気がなかった。

今まで、

何人もの酔っ払いや、クレーマー、やくざと対峙してきたのに、

そんな経験は無意味だったんだ。






かるびのメールには、

「とりあえず、PC持ってにげたわw

実家に行きます 落ち着いたらまた連絡します」





かるび…。

まだ安心出来ないが、

ちょっとだけ、ホッとしたような。




パンチ
俺たちのせいだな…




「うん…。でも…」







俺はこの時、正義感、というものが沸き上がっていた。

子供っぽいかもしれないけれど。

それが、勘違いだろうとなんだろうと、関係ない。




確かに俺たちも悪い。

軽率だったんだ。しかし、




「俺たちも悪いんだろうけど…

例え、俺たちがいなくったって、

かるびは、ああして、何度も実家に帰っていたんだろ」。







「俺、はじめてだよ。

知り合い…ましてや自分の好きな人が、

目の前で襲われている現場に遭遇するなんてさ。

…。

もういやだ、こんな想いするのはさ。」









「かるびは、しあわせじゃない。

あの旦那といたら…

勝手に思うけど、

かるびはきっとしあわせじゃないと思う」






その時、そう心に決め込んだ。

もう、こんなつらいことには耐えられない。






かるびから、

第二弾のメールがくる。

「実家についた」

「PCは無事ですw」

「…旦那、やりおるわ。

車まで出して、外出したように見せかけて、

実は、途中で車から降りて、

庭から、うちのいる部屋を覗いとったんや。

もう、そらビックリしたわ。窓ガラスに顔やで(;´Д`)

だから、大きな声出してもうた。

とりあえず、やけど、

ちょっと落ち着くまで、連絡、控えるけどまたメールします」







ああ…。前回、家を出たときのようになっちゃったな…。







「俺…、もう無理だ。耐えられない。

香川、行く。








パンチ
「えっ」










「無理矢理にでも行くわ。

かるびを守る。」


 


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posted by みるしょう at 11:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ゴゴ市から現実の世界へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月30日

24 運命のホイール




24.png

かるびが、ゴゴ市から消えて数か月。
パンチからの情報でみつけた「ハンゲーム」の謎の女性は、
やはり、かるびだった!
俺はPCの前でひっくり返ったと同時に大泣きしてしまった。






かるび…! 会いたかった…!元気でいてくれた…!

運命か、と思うのは大げさだろうか。




かるびのハンゲームのメールには、

いろいろ書いてあり、ここでは長いので、抜粋すると、





・旦那の家へ戻ってからは、相変わらずだが、取っ組み合いとかは今の所ない。


・以前よりも、旦那がかるびを監視するようになった。


・携帯電話は解約され、新しい携帯になった。


・PCのメール、携帯のメールは全部、旦那に見られた。





ここまででも、俺はどん引きしたが。

会ったことも、話したこともないかるびの旦那だったが、

自分の中で、悪いイメージが固まりつつあった。




そして、これらのことによって、




「…んでなぁ、『ゴゴ市』のことは、完全にマークされてんやわ

「特に、メールのやりとりをやっていた、君とパンチについては怒ってる

「というかなあ…、君はまだ…うちの旦那や子供に配慮する文章があったから、君に関しては、それほどでもないねん。」

パンチに関しては…旦那、相当、怒ってる。パンチの電話番号も控えてあるみたい…」

「パンチは、(冗談やと思うけど)旦那と別れろ、とか愛してる、とか書いてあったからなあ」




ああ〜…

だからあれほど言ったのに、パンチ…!

俺は、確かに彼女にゾッコン(古)で、ほの字(古)だけど、

略奪しようなんて、悪いことだと思ってたし、

何か間違いがあったらマズいから、

そういう気持ちは極力、抑えてきたのに…




「だから…ゴゴにも入れんし、君たちとも連絡できんかった。許してな。」



いやいや、

結局、俺たちは、かるびに迷惑をかけてしまった…。

30過ぎた、いい大人が、先も読めずに、行動が甘すぎた。







しかし、メールのつづきでは、

旦那に監視されてはいるが、

とりあえずゴゴ市に入ってなければ、旦那は怒らない。

なので、

これからは『ハンゲーム』の方で会おう、と書いてあった。




旦那は、

『ハンゲーム』なら、ゲーム中心で会話もないし文句は言わない。

操作もわからないから、ハンゲームのメール機能も知らない。

と、いうより、旦那はPCが相当苦手で、

PCメールを全部見られた時も、かるびにメールボックスを開かせたのだそうだ。





最後に、

「もう会えないと思ってたのに。ほんま、あの時はビックリくりくりやったでw」

と書いてあった。

うん…、俺も…おどろいたよ。

そう、運命、

と、思いたい。










その後、

俺とパンチとかるびは、

毎日『ハンゲーム』で遊んだ。

やっているのは、主に「パチンコ」「花札」「五目並べ」「麻雀」

全部、かるびの趣味だ。

正直、「かるびって…なんかちょっとオッサンくさい趣味だな」って思った(笑)




ただ、さみしいのは、

会話もなく、ただ黙々とゲームをしなければならなかったこと。




旦那は、

1〜2時間おきに、かるびがPCをやっているところを覗きに来るらしい。

そこで、キーボードをカタカタ鳴らして文字入力していると、

「何、誰と話てんねん」と、絡まれるそうだ。

なので、

重要なことは、ハンゲームのメールを使って(あとで見つかっても、文句を言われないように、なるべく俺たちとはわからないような短い文章で)、

連絡しあった。







そんな毎日が、2ヶ月以上続いたが

ある日、

3人でハンゲームを遊んでいる最中に、

突然、かるびから、

「今、良かったら、久しぶりにゴゴに行かへん??

と言ってきた。



オイオイ、文字入力なんかして大丈夫か?

っていうか、「ゴゴ」?!



続けてかるびが、

「今、旦那が、車で出ていった音が聞こえたわ。

大丈夫! 

旦那、ここんとこ毎日、親戚の家に呼ばれて、何かのお手伝いに行ってるんやわ。

親戚やから、行かざる得ないし、一時間は絶対に帰ってこん。

今しかない!

と、言った。




大丈夫か…ホントに…でも、かるびとゴゴに行きたい…

という気持ちの方が強くなる。

確かに、かるびの言う通りならチャンスかもしれないが…



パンチ
「よっしゃ、そんなら急ごうぜ!! ボイスチャットも出来るな!」



もう、勢いで、急いでマイクを用意して、ゴゴへアクセスした。



パンチ
「急げ、急げ!」



俺も、慌てた。

久々のゴゴ、また3人で遊べる!かるびと話せる!



パンチ
「おおーい、聞こえるかっ!」




「オッケー、こっちは大丈夫!」



かるび
「うわあ、なんか昔みたいやーん!ゴゴ懐かしいわ〜〜!



かるびは半年以上、ゴゴに来てなかったから、なおさらだろう。

本当に、知り合った頃のように俺たちは、はしゃいだ。



パンチ
「あはははw いや、わかっちゃいたけど、ゴゴってやっぱり何にもねーなw




「まあ、そこがまたいいじゃん、話に集中できてさ。」



かるび
「あー、○×クイズやりたい!行こう!」




3人で、ゴゴの街を走った。

懐かしい光景だった。




かるび
「まだ、けっこう、ゴゴも人いるやんなあーw

ここの喫茶店、まだオープンしとらん……





ぐぇっ!!……」






?!



突然、かるびが聞いたこともない絶叫をあげて、会話が途切れた。



パンチ
「?! び、びっくりさせんな!?どうした!なんじゃ!?」




ガサゴソッ ガサガサッ ガサガサッ!



イヤホンから、異様な音が聞こえた。



ガサガサッ…



俺は、血の気が、サッと引いた。











かるび
「……んっ、なんやあ!!」



かるびの、叫び声が聞こえた。

最悪のことが起こったと、その瞬間、理解出来た。











かるび
「やめてっ!」





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posted by みるしょう at 03:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ゴゴ市から現実の世界へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月28日

23 ハンゲーム?!


pairs
DMMライブチャット

かるびを忘れようとしても、忘れきれない毎日。
心までが荒みそうになった時、パンチからのメールが来る。
「かるびが、『ハンゲーム』にいる!」




ハンゲーム…ハンゲームってなんだ?!!

メールには、「ともかくここに来い」とURLが書いてある。

かるびがいるっていうなら、行くしかない!





急いでゴゴ市を出て、ハンゲームとやらのHPへ。

会員登録? 大丈夫か、これ…。

俺は何も知らなかったのである・





『ハンゲーム』は、今でも運営されている大手のオンラインゲームだ。

ゴゴと同じようにアバターを作り、チャットやメールなども出来る。

ただ、違うのは、ここはゲームがメインだった。

ゴゴが、ほとんどチャットのみに対して、

こちらは麻雀やらパチンコやら、様々なゲームがあった。






パンチに電話する。



パンチ
「おう、入ったか! あのな、ワシ、ちょっと前からハンゲームやり始めたばかりなんだがな、」



「そっか…、いや、俺、こんなのがあるなんて全然知らなかったよ;;」


パンチ
「そ、そ、それでさ、今さっき四人部屋麻雀にいたんだよ。そしたらさ…」



「ま、まあ、わかった、んで、かるびはまだいるのか? どうやって探すんだ、コレ?」



俺はパンチの言う通りに麻雀コーナーへ行く。

いくつもの部屋があって、そこでプレイヤーたちが麻雀をしているらしい。



「ここか?…は、勝手に入っていいんだな?」


パンチ
「あ、ああ。確かにさっきまでここの部屋にいた!



俺はドキドキした。

数か月ぶりのかるび…。

こうしてゲームを楽しんでいる、ということならば、元気なんだな?

旦那に襲われたり、ケガしたりとかはないんだな?!



ピンポーン



麻雀部屋に入る。

みんな黙々と、麻雀をやっているようだった。

ジャラジャラと、音だけがする。

やっている4人以外のアバターは、

部屋の中で、ゲーム内容を見ながら待機出来る。





「あっ」



パンチ
「ほ、ホラ!! な?!」



麻雀をしているメンバーの中に、

グレーのショートカットの女の子のアバターがいた。

名前は…

か、か…「かるび」!


無題gog.jpg


ゲッ!


俺は、あまりの衝撃で、PCの前で叫んだ。

イメージ的には、まあ、ゴゴのキャラと被ってる! 似てる! 確かに!

し、しかし、待てよ?!

これが、あの「かるび」だっていう証拠は?!




「おい、パンチ!お前、話しかけてみたのか?」



パンチ
「いや、無理だ。彼女、ゲーム中だし…。でもな、彼女のキャラクターをクリックしてみろって!」



え?大丈夫なの? (・_・;)

あ、プロフィールが出るのか…





現在の住所:かがわ うどん

生年月日:S46年




また、俺はPCの前で叫んだ。

ここまで、状況が合ってるなら可能性は高い…!





「こりゃあ…かるびかもな、確かに(・_・;)」



パンチ
「な、誰だってそう思うだろう?!」




「パンチ、話しかけてみようぜ…


パンチ
「マジ…?で、でもな、俺、ここだと名前違うからさ、俺だってわかんないんじゃ…」



「ン…、ってなんだよ、お前の名前『ダークスカイウォーカー』? ふざけんなよ!」



俺は、もう我慢できずに、

ハンゲームの操作も知らないまま、適当に彼女に話しかけた。







「あの、とつぜんすみません。かるびって、あのゴゴのかるびさん?



言葉が届いているのかもわからない。俺は続けた。



「あの…、ゴゴにいた俺です。わかりますか?岩手に住んでる…」



その瞬間、

彼女のアバターがパッと消えた。

部屋から退出したらしい。

ハンゲームは、ゴゴと違って、アバターは動いたりできないから、ログアウトすると消えてしまう。

かるびなら、何か少しでもリアクションがあるはずだ。






これは、あの、かるびじゃないな…。







「聞こえてたようだけど…、」


パンチ
「うんうん、どうだった?!」



「ん…、なんか気味悪がられたっぽい。人違いだ…たぶん



パンチ
「……、そっか…。なんか悪かったな、ここまで来させといて」




「いやいや、ありがとうなあ。まあ、ちょっとドキドキさせてもらったよ(笑)」

















それから、四日ぐらいしたある日、

まあ、せっかくだからと、気分転換にハンゲームに入った。

もともとゲーム好きだし。ただ、ギャンブル系はちょっと苦手なんだよな。




釣りゲームがあるのか、やってみるか、基本無料だし。

ハンゲーム操作自体よくわからないので、いろいろといじってみた。

「俺って、説明書、読まないよなあー(笑)」

すると、

メールというところがある。

ハンゲーム内でメールのやり取りが出来るのか?







「あっ」



メールのところに「1件」と表示されていた。

そのメールのタイトルを見て、俺はPCをひっくり返しそうになった。








title:うっしっし ( ̄ー ̄)








あ・あ・

この書き方は…

メールを開くと、そこには、







うちです w 
ひさしぶり w









「ああああ!!!!!あああああ!!!!!」

間違いなかった、

あの子は…かるびだったんだ!!




俺は、アパートの二階にまで届くくらい、大声で泣いた。




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posted by みるしょう at 04:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ゴゴ市から現実の世界へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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