2013年09月15日

14 グッドエンディング/バッドエンディング










やすだあおい.jpg

保田が俺の部屋で待ってる。
今は、ともかく彼女と話がしたい。







保田を部屋で30分は待たせてしまった。

子供の頃は考えられなかったシチュエーション。

ともかく、彼女と色んな話がしたい

昔のこと、最近のこと、これからのこと…。




かるびのことは…。

もう、終わったんだ。終わった話。

俺だって、これからの自分の事を考えなくっちゃあな。




実家の階段を上がり、俺の部屋のドアをそっと開けた。

ドキドキしている。中学の頃の感覚に近い。





「保田…?」



やけに静かなので、自然と小さな声で呼びかけた。




「(うっわあ………)」

セクシーやす.jpg

俺は、凝視することが出来なくて、

思わず顔をそらした。

何度も言うように、保田は俺にとって天使だ。

アイドルとかスター、それ以上の存在。

もし、憧れの人が、自分の部屋に、自分のベッドに寝ていたら、

じっくり観察なんて出来ますか? 俺には無理…。





「やす…」




起こしちゃ悪いな、と思いつつも、

もし、うたた寝の程度だったら、ちょっと起きて欲しい気もする。

ちょっとずつ、顔をそらしながら、ベッドの方へ少しずつ近づいた。





「保田…? 寝てる…?」



返事はなかった。

ようやく、彼女の寝顔をまじまじと見る。

セクシー安.jpg

「きれいだな…」

人形のような、子供のような…。






さて…?

これから、俺はどうしたらいいんだ…?

正解は…?

いろいろ、意見はあるだろう。






”いろいろつらい目に合って、今日は楽しく遊べたんだ。そっとしておいてやれ”

そりゃそうだ。

ちょっと、自分に着いてきたからって調子に乗っちゃいけない。

保田はそんなつもりで来たわけじゃないんだ。





”寝てる隙に、キスぐらいしちゃいなよ…”

キスしたいわ。こんなきれいな顔が目の前にあるんだもの。




”起きたら起きたで、どうとでも言えるさ。
だって、彼女はここまでお前に着いてきたんだぜ?
お前に好意を持ってるんじゃないか?”


だめだ…。そんな都合よく考えられるものかよ。特に保田に限っては。




”もう、お前もいい大人だろう。彼女だってわかってくれるさ!”

そんな。









…でも。

世の中、お互い好きじゃなくたって抱き合う輩はたくさんいる。

でも…。なんかダメなんだ、そういうの。

性行することがピークじゃないんだ。

そのあとのことも、俺にとっては大事で…





目の前のきれいな保田の顔を、もう2分はみつめている。

だいぶ、この状況に、自分も慣れてきて、

今度は身体の方に目がいく。毛布はかかっていない。

指先、胸元、両脚…。

きれいすぎる。宝石のように…。

俺は、

保田の顔に、手を伸ばした。

額にかかった前髪をそっと触って、分けた。

そのまま、手の甲の部分を…彼女の頬にすべらせた。

理性が薄まっていく。

自分の中のルールをぶっ壊したくなる。





(このまま、強引でも…)




そうさ、

世の中、みんなそうなんだろ?

もう俺だって、中年の域に入ってるのに…いつまでプラトニックしてんだ。

一晩限りとか、セックスを楽しむ、とかよくある話じゃないか。





大体、

世の中、みんな、俺に比べたら、全員ちょいワルなんだよな!

普段、まともな事、言って、正しさを主張するくせにさあ…。

けっこう、自分勝手にやってるじゃん。

不倫とかもそうだし。

結婚したり、彼女がいるのに、風俗に通ったりさ。

下半身は別って。

言い訳にもなってないこと、平気で言う。

相手の事、彼女の気持ちとか、考えないのかなあ。






でも…

俺もそうなんなきゃダメ…か?

思えば、今までいろんなこと我慢してきた。

たった一度の人生…とか考えるとキリがないけれど。

かるびのことだって、そうだ…。

我慢して我慢して、

自分の気持ちを抑えてきて、結局、自分に何が残った?

保田だって言ってたじゃないか。

「話す前に考えてる」って。

思った通りのことを行動しろって言うんだろ?

だったら…。






今、俺は保田にキスしたい。

俺は保田を、今、好きなのか?

愛してるのか?

淡い初恋の思い出と、

単なる性欲。

スカートの中に手を入れたい。

それでいいの?

保田の気持ち、考えないの…? 
















「無理だー…!!」



そんなの無理。

今までの女の子とは、違うんだ、保田は…。

もう、女性じゃなくて、人間として…








ああ、

ダメだなあ、俺は。







ベッドのそばから少し離れようと、

立ち上がろうとした。




「!」




保田と目が合った―。








a-ha "and you tell me"

君を嫉妬させようと変な小細工をしたり、
君が離れないようにするために僕は一生懸命努力したんだ
一日は長くて、夜は狂いそうになる
自分がおかしくなるんだ 君がいなくなってから
だけど、君はこう言う
”愛してなんかいないくせに”

タイトルは、この曲から引用しました。
俺が保田に会いに行く途中、ウォークマンでよく聴いていた思い出の曲です。


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posted by みるしょう at 17:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛してなんかいないくせに | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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