2013年08月21日

13 縛り










444.jpg


かるび―。

旦那との話し合いが終わり、

最後のお別れをした時だ。





「さよなら、元気で…。しあわせに。しあわせになって」



かるび
「…ありがとう。でも、うち…。どうしたらええんやろ…。わからんのやって…」




「ん? わからん?」



かるび
「旦那と一緒に…(職を)探せばええんかな…? それとも(見守って)黙ってた方がええ?」




「…ああ。そっか、なるほどな。俺も無職の時、あったからさ…そう考えると…」



かるび
「怖い…」




「え…?」



かるび
「…。」



(ああ、そうか。今、旦那が横で会話を聞いているから詳しくは言えないんだね)





旦那がこの後、職探しをするにあたって、

何もかもがスムースに行くとは思えない。


でも、誰だってそうだと思う。

かるびは、

この後、どんなことが起こるのか、

旦那がどういう行動を取るのか

想像すると怖いっていうことを言いたいんじゃないだろうか?

職がみつからなくて、また暴れる、とか。意見が合わなくて口論になる、とか。

…。









「そうだよな…。わかるよ、気持ちは。
とりあえず、最初は旦那と協力するかたちで、一緒に職を探してあげて。

旦那さん、かるびとの仲を修復したいっていうのもあるだろうから、
二人三脚で、優しく応援してあげて。無理させない程度に。

怒ったり、嫌味を言ったらダメやで。
優しすぎてもダメだけど…。

難しいな。
まあ…。

そうだな、もし、状況が変わったり、困ったことがあったら…。

最後の手段で。

本当に最後の手段ってことで…。

俺に連絡…くれる…かな。


俺が渡した携帯、まだバレてないやろ?

持ってて…。万が一の時のために




かるび
「う、うん。そ、それは…。助かる…けど。心強い…んやけど。」




「(かるび、話しにくそうだな。そろそろ、タイムリミットだよな)
あ、お金はいいから。家族の割引で、大した基本料じゃないからさ。
な?」



かるび
「いや、それはこっちで…頼むわ。うちも、それくらいなら大丈夫やから」




かるびは、一度言うと、かなり頑固だし、

電話が長引くと、また旦那の機嫌が損ねかねない。

俺は折れて、請求書をかるびの実家の方にまわすことにして、電話を切った。







明日、宮古に帰って※調べればわかるはず。

かるびに渡した携帯の料金が滞っていて、

それと連動して、メインである俺の携帯が止まった
としか思えない。









あれから、何か月経ったんだ…?

最初の頃は、

いつ、携帯に電話がかかってくるか、いつもドギマギしていた。

しかし、かかってくることはなかった。

かるび…、支払い忘れちゃってるのか?

まさか…。

あれから、旦那の方も特に進展がなく、お金に困ってるとか。

必要ないなら、解約しなきゃならないし…。

解約するにしても、一度は連絡したほうがいいだろうし…。

ああ〜、もう、こんな時に。困ったな〜。










(あの時…携帯を持っててって言ったのは…)





(本当に万が一のために…っていう理由だったのか?)





かるびとのつながりを…保っていたかったんじゃないのか?











保田。

保田が、俺の部屋で、待ってる。
posted by みるしょう at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛してなんかいないくせに | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月12日

12 スウィング










ようやく、俺の実家に着いた。

懐かしい我が家。

少し、昔よりも煤(すす)けてしまっているのが寂しい。

隣には、母親が建てた小さな薬局がある。

俺は小学2年の頃から、ここで販売やレジ打ちなどをしていた。




家に入ると、母親が出迎えてくれた。

久しぶりに帰ってきたというのに、いきなりの女の子付き。

母親も、さぞ驚いたことだろう。

結婚報告か、或いは、こんな風にいつも女の子と遊んでる、

なんて、思われちゃいないかと、内心ヒヤヒヤした(笑)




しかし、さすが、保田。

挨拶も丁寧で、事情やお詫びなども含めてしっかりと挨拶してくれた。

(本当に俺たち、大人になってしまったんだなあ…。)

つい、彼女を中学生の頃の目線で見てしまいがちだが、

花も嵐も乗り越えた大人の女性の貫禄が見える。





母親は、歓迎してくれた。

いや、もともと、そんなにうるさい母親じゃなかったな(笑) そういえば。





大学の頃、

当時、つきあっていた彼女を、こんな風に実家に連れてきた
時も、

(厳密に言うと、俺の帰省に彼女が勝手についてきてしまった)

こっそり俺に二万円も渡してくれて、

「これで、二人でどっかに泊まって来い」と、男気のあるようなことを言ってくれたっけ。











あっ…



ふと、思い出す。

その大学時代の彼女が、ここへ来た時も、

今日と同じように、

俺はわざわざ電車に乗り、

地元の駅から歩いて、家に帰ったんだ…。



保田のことを思いながら。

保田と過ごした街をながめたくて…







大学時代の彼女は、ハアハア言いながら、歩いてついてくる。

「疲れたろ?だから言ったじゃんか、歩くからって。ついてくるなって」

「んーん。てっちゃんの住んでた街が見たかったの」

汗をかいた顔で、ニコリと笑った。

そんな彼女の気持ちも、ろくに考えず…。



(…保田に会いたいな…)



って、思ってた。

保田が結婚して、数年経っていたというのに…。

あの頃の自分をぶっとばしてやりたい…


ゆきちゃん.jpg


いくら若かった、とはいえ、俺も人のことは言えないんだ…。

かるびの旦那と同罪だ。

その後、何人かの女性とお付き合いしたけれど、

自分を慕ってくれた女の子を、こんな感じで寂しがらせたりしていたかもしれない。






保田に「好き」と言わなかった後悔、未練が、

他の女性と付き合っても、いつも、いつも、つきまとっていた。




だから、

最近、やっと。やっと、やっと、やっと、忘れたんだろ?

もう、大丈夫だと思ったから、保田に電話したんだろ? 俺?

思い出しちゃだめだ…。絶対に。

今、また保田のことを気になり始めたら…

俺は、今後の恋愛が出来なくなってしまう。





この時の俺は、異常なほどに、保田に対する思いを抑えていた。











保田を連れて、玄関から居間へ案内する。




保田は玄関までは来たことが何度かあるが、

ちゃんと家に入れたのは初めて。

当時、「入りなよ」って言っても、彼女、絶対に入らなかったもんな(笑)






保田
「あ、なんか、憶えてるゥ〜、テツヤん家。確か、アタシが誕生日の時〜!」




「そうそう。俺ん家(の玄関)、来たよな。俺とイサオが変な恰好をして」



保田
「ア・レ・! 超、驚いたんだからァ。二人でバカな恰好してさあ」




「うっそ、お前、苦笑いしてたじゃんか。へへ…って顔してさ(笑)」



保田
アラ、そうだったァン?(笑) 忘れたあ! あはははは」






居間には、俺の兄貴がいた。

兄は10以上、年齢が離れているし、性格は、全く俺と正反対。

一見、気難しく、近寄りがたい雰囲気を持っている(根は明るくて優しい)。

そこへ、サラッとそつなく挨拶をし、世間話にまで持っていく、保田。

自信に満ちた話し方。満面の笑顔。

これでも、サービス業の鬼と(言われてない)言われた俺が見ても、

100点満点の応対だった。


普段、あまり口を開かない兄も開かざる得なくなっている。

と、いうか、

保田は、仕事で、こんな風に接客してるんだなあと思って見ていた。

(こりゃ、オッサンから人気があるのもわかる)

アニキも、惚れたんじゃないかな…(笑)

性格は反対だけど、好みはおんなじだもんな(笑)











とりあえず、保田は、俺の部屋に待機してもらって、

少し、母親と話す。

「あんた、何回か連絡したけど、つながらなかったわよ

と、怒られた。





そうだ、携帯のこと。

なぜか、つながらなくなっている。

家の電話から、自分の携帯にかけた。

「現在、お客様のご都合により…」

やはり、これは料金未払いのための、一時停止だ。

おかしい…。引き落としになっているはずなのに。残高だってあるはず…。





俺が今、契約している携帯電話は、3台。




俺のだろ…

母親の…









あ! あ!!






わかった!


かるびだ!!


かるびに携帯電話を渡していた!!





a-ha "and you tell me"

君を嫉妬させようと変な小細工をしたり、
君が離れないようにするために僕は一生懸命努力したんだ
一日は長くて、夜は狂いそうになる
自分がおかしくなるんだ 君がいなくなってから
だけど、君はこう言う
”愛してなんかいないくせに”

タイトルは、この曲から引用しました。
当時、ウォークマンでよく聴いていた思い出の曲です。


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posted by みるしょう at 20:35| Comment(1) | TrackBack(0) | 愛してなんかいないくせに | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月11日

「愛してなんかいないくせに」について








私のメインHPです。よろしければご覧ください⇒「らす★りぞ FFXI&イラスト」



いつもご愛読ありがとうございます。
先日、ぽーさんという方から、コメントいただきました。
大変、励みになりました。
ここで返信とさせていただきます。



「愛してなんかいないくせに」は、まだ物語の途中ですが
今回はいつもと違い、少し軽くお話をしたいと思います。



抑えられないm.jpg
「愛してなんかいないくせに」について

ほぼ毎日、更新しておりましたが、
体調不良のため、更新が少し途絶えてしまいました。
残すところ、あと、2回くらいで終わる予定、です。

当初、この初恋の子との再会の話は、
あまり「アルハラ!」本編とは重要なつながりもなく、
いろいろ省略して、2〜3回で終わるつもりでした。
実際に起こった「事実」ではあるので、サラッと紹介するつもりで。

私もわかってるんです。
知り合いでもなんでもない、
身も知らない人間の、「初恋の話」なんておもしろくないだろうなって。
みなさんにだって、
私よりも全然ドラマティックな初恋話はおありでしょうからね。

多少、大げさに、ドラマ的に書いているとはいえ、
あくまで”体験談”なので、大きな事件があるわけじゃないですし。

せっかく最近、読んでくれている方も増えてきたのに、
きっと、あきれられちゃうな、って思っていました。
そこで、あきられないように、今回は趣味のイラストに力をいれたりもしました。




書きはじめて、いろんなことを思い出しているうちに、
自分の中で、楽しくなってきて、

「もうちょっと書こうかな」
「ああ、こんなこともあったな」

と、伸ばし伸ばしで、現在11回まで来てしまいました。
(本音を言えば、まだまだ書けるエピソードはあるが、まとまりが悪くなるので;;)
保田3姉妹あるはら用.jpg




ただ、いろいろと思い出していくうちに、
この再会の出来事は、自分の人生にとって重要な日だったんだな、と、
今更ながらに思うようになっていきました。分岐点でもあったな、と。

「保田」との、会話のやりとりは、
その後の「かるび」との物語に少なからず影響していたんです。





恋愛(片思い)してる人へ

せっかく書いているので、
私は、この物語を通して伝えたいことがあります。
(突然、すいません)

特に、若い子(中学生〜20代で恋愛初心者?の方々)に聞いてもらいたい。
もし、今、あなたに好きな人がいて、片思いしてるのなら。
もちろん、タイミングを見計らったりとかもあるかもしれませんが、
かけひきやタイミングなどは、もう、ほどほどにして、
絶対に100%、必ず告白してくださいネ!

アタックして、恋に破れたショックと、
何も言わないで終わった後悔のショックは、
断然、後者の方がデカイです。断言します。

しかもそのショックは、微妙にその後の恋愛にも響きます(トラウマってやつ?)。
もう、じわじわと、しかも長いです。
「そんなのアンタだけだろ?新しい恋をすれば忘れるさ!」
うん、わかった、わかった。まあ、ともかく私のいう事を信じて、
100%告白してください。絶対に。

私は、「保田」のおかげで(笑)
その後、好きな人が出来た時、割と速攻で「好きです」というようになりました。
自慢じゃないですが、その方法で、9割は恋愛に発展しました(なんか悪そうな言い方;;)

それは、もう「保田」の時に味わった思いを二度と味わいたくないというのが本音でした。

だって、「好きなのに、普通のフリしてる」っていうことは、
常に好きな人の前で、「うそをついている」っていうのとおんなじなんです。
「うそをつき続けている」と、必ず色んな部分で歪みが生まれ、最後は人間、自滅します。
間違いないです。
頑張って告白してください!
もちろん成功も祈っております。







保田あおい

保田(33)最終Ver1.png

実際の「保田あおい」は、とても不思議な魅力の持ち主で、
少ない言葉の中に、妙に心に残るようなことを言う方でした。
「ああ、その考えはなかったわ」と感心することが多くありました。

彼女の声、話し方を頭の中で再生して、
文章の中で、彼女との会話シーンを書いていると、もう、なんか楽しいんですよね。
「ちょっとォン!?」とか「保田はねぇ〜」「〜もん」とか。

当然、当時のセリフを全部覚えてるわけではないので、
たぶん、こんな風に言っていただろうなっていう想像も含めて書いてます。


気持ち悪いと思うかもしれませんが、
書いていて、彼女と今、まさに会話中のような気分になりました。
(書き終わってから、ちょっとブルーになる)




今回、そうやって、記憶の引き出しをあけ、文章にし、イラストまで描いているので、
よけいに思い出してしまったんでしょう。

思い出すのと、同時にいろんな後悔が生まれました。

もっと、いろいろ話を聞いてあげればよかったな、とか、
もっと、優しい言葉をかけてあげればよかった、とか。
もう強引に…これ以上は言えません(笑)

「この人を好きにならないように気を付けよう」って、
変な警戒をしていました。
馬鹿だよなァ、「俺」。





最後に

自分の記憶を、文や絵に残しておきたい、という気持ちから始めたブログですが、
実際にいる人物を元に書いている、ということで、罪悪感は否めません。
一方的に、私の立場で書いてるからです。

「ちょっとォ!? なァに? アタシ、こんな事言ったァン? もおおおン」

っていう声が聞こえてきそうです。
この辺が、体験談のつらいところです。


(2013/8/11 13:23)



posted by みるしょう at 13:33| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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